キャリアが拓かれた、とある経験
私仲地は、社会人3年目まで、あることで悩んでいました。
それは
「私が得意と言えることって何だろう・・・私には、自信が持てるスキルが何もない・・・」
ということ。
同期や後輩と自分を勝手に比べて、落ち込むことの日々に、自然とモチベーションも低下していきました。
そんな時、当時外部講師として職場である動物病院に携わってくれていた、接遇マナー講師の先生に
言われたこんな1言があります。
「電話対応といったら仲地さんだから、皆の模範となってね」
私は、保定など、動物看護業務しか、動物看護師としての強みにならないと思いこんでいましたが、
その先生の1言で、一気に自身が芽生えました。
「そっか。電話や受付対応も、動物看護師にとって重要なスキルなんだ。この分野を伸ばせれば、自分の強みになるかもしれない!」
たった1つ、自信がついたことで、日常の動物看護業務に対しても前向きに臨めるようになっていきました。
1つ1つの仕事に対して「もっと追求したい」と意欲が増していき、
<もうできる>ではなく、<もっとスキルを深めよう>と、思うようになりました。
でも、一体何から始めれば良いのだろう・・・
休憩室に貼ってあったセミナーのチラシが目に留まりました。
「猫の行動学なら、どんな学びも仕事で活かしやすいかも!」
同期のスタッフを誘い、初めてセミナーへ参加することになりました。
そこでは今まで携わっていた仕事の答え合わせをしながら、新たな気づきや、知識を増やすことが出来ました。
その後は、学びを積極的に業務で活かしたり、院内セミナーを開いたりと
様々なことにチャレンジしていきました。
知識が増え、そのスキルを受付で飼い主さんに伝えると感謝される。
院内セミナーを開き、後輩から「勉強になりました!」と感謝される。
人との関わりから「みんなに喜んでもらえて嬉しい。」「誰かの役に立てて良かった」
と、更に私自身の力となっていきました。
人は十人十色
「自信が持てるものが何もない・・・」という声を時々耳にします。
実は、この言葉の背景には、様々な要因が隠れていることがあります。
- 評価される経験や実績がないと思い込んでいる
→本人が「当たり前」と感じている日々の行動や対応が、実は大きな価値やスキルであることに気づいていないケースが多いです。
- 比較の中での自己評価
→ 周囲の同僚や先輩と自分を比較しすぎてしまい、「自分には特別なものがない」と感じてしまう
- 成長や努力の過程を振り返る機会が少ない
→ 日々の業務に追われ、自分の成長やできるようになったことを客観的に見つめ直す時間がない。
私は、動物看護師が、自分のままで、堂々と働けるよう、周囲との対話や振り返りの機会を通じて、強みや価値を見出し、
自信をもって働くことが出来ると良いなと思っています。
そのためには、
自分で自分の長所を見つけることも大切ですが、他者との関りから、気付けていない自分に気付くきっかけが得られることもあります。
先輩やリーダーとしてできること
例えば、これを読んでいる方が、後輩を持つ先輩や、リーダー、マネージャーであれば、以下のような関わりをもってみることはいがでしょうか?
- 具体的な行動をフィードバックする
→「今日の受付対応、とても丁寧だったね」「あの飼い主さんに対する説明、わかりやすくて安心されていたよ」など、行動ベースで伝えることで自信につながります
- 「できていること」を一緒に見つける
→本人が気づいていない強みを、一緒に整理したり、棚卸ししたりする機会を設ける
- 「自信=完璧」ではないことを伝える
→「まだできないことがあっても、それに向き合っている姿勢がすでに価値なんだよ」と、過程や姿勢に焦点を当てることも大切です
全ての人に「価値」は存在します。
たった一つでもその価値に気付けると、きっと日常の見え方や、生き方までもがプラスに変化していくことでしょう!